スマートシティは利便性が増すが政府の管理体制が強固になる

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経済産業省が主導し官民が連携し推し進めている「スマートシティ」で私たちの生活の利便性は増すのは間違いない事実でしょう。しかし、方向性を間違うと、とんでもない監視社会となる危険性も孕んでいる。

全国各地の様々なスマートシティの取組み

出典:資源エネルギー庁

日本では、スマートシティを官民連携で加速するため、企業、大学・研究機関、地方公共団体、関係府省等を会員とする「スマートシティ官民連携プラットフォーム」が設立され、大規模な国家プロジェクトとなっています。また「スーパーシティ構想の実現に向けた有識者懇談会」の座長である竹中平蔵氏が、旗振り役を務めてきました。

「自動走行」「ドローンでの自動配送」「ロボットによる自動化」「キャッシュレス決済」「行政サービスのIT化」「デジタル手続」「遠隔診療」「健康データクラウドの構築」「オンライン教育」など便利になることは間違いないでしょう。

全国各地の様々な取組みは、こちらのサイトから確認できます。

各個人の行動を可視化すればするほど利便性が増す

スマートシティは、都市部の人口集中で抱える問題(交通渋滞、治安、環境問題など)を解決するのにも期待されているが、ひねくれた言い方をすれば、政府からすると国民を管理(監視)するのに都合が良い。

抱える問題を解決するには、どうしてもその問題をつくっている各個人の位置情報、交通機関など移動情報、ホテルなどの利用状況や買い物など消費動向、健康診察履歴まで、あらゆる行動が可視化すればするほど利便性は増すことは間違いない。それゆえ、はじめからすべて可視化するようにはならないだろうが、いつの間にか監視社会に近づく懸念は拭えない。

世界では、このスマートシティを未来の理想都市と定め、投資・開発競争が巻き起こっているようです。

出典:内閣府国家戦略特区

「より良い暮らし」「高齢化社会に対応」など聞こえは良いが、テクノロジーはほどほどにして、もっと地域の助け合いなどに力を入れたほうが良く感じてしまう。

中国杭州市のスマートシティ「杭州城市大脳」

世界各国の都市がスマートシティを取り入れているが、最先端はアリババの本社がある杭州市の「杭州城市大脳」なのかもしれない。アプリをダウンロードすると、中国共産党の杭州市委員会と杭州市人民政府に繋がり、交通、医療、健康、旅行、住まい、天候、食事、生活などの情報にアクセスでき利便性を享受することができる。

杭州城市大脳から引用

なかでも効果覿面だったのが、交通渋滞緩和と取り締まりのようである。市内に登録される車両は300万台近くあり、渋滞が慢性化。瞬時に信号調整ができため、渋滞が起きづらくなる。また、交通事故をすぐに把握できることも大きいようだ。それと同時に、交通違反(信号無視、スピード違反、駐車違反)の取り締まりも効率化しているようである。

杭州城市大脳から引用

このように、あらゆる行動がデータ化され、1日平均8000万以上の新しいデータが蓄積されていっているという。

中国はすべての情報が政府に紐づけられている

中国の大都市圏へ行った人なら分かりますが、スマホ一台でほとんどのことが解決できるシステムとなっている。逆に、出張や旅行で来てスマホがネットに繋がらない外国人は、不便極まりない。街中では、スマホがないとなかなかタクシーさえ捕まらなかったりする。また、小さな商店になると却って現金を扱ってくれない場所がある。偽札を掴まされないよう警戒心が強かったため、現金を使わないスマホ決済は一気に広がったようである。

驚いたのが、車に乗せてもらったときに、運転手がスピード違反で高速を通過したら、すぐにSMSで罰金支払い請求のショートメールが来ていた。(2019年時点での体験談)電話番号や銀行口座などすべての情報は、紐付けられているからです。

動物園からヒョウが脱走しても捕獲されない大脳システム

先月(2021年4月19日)に杭州市富陽区にある杭州野生動物世界から3頭のヒョウが脱走したという。住人らが住居敷地内でヒョウを見かけ通報していたが、動物園側は脱走していた事実を隠蔽していたと言う。しかし、吃驚するのは、この動物園がある場所は市街地であるにも関わらず、20日間以上もヒョウが見つからず、未だ(5月10日時点)ですべてが捕獲されないことである。

海外網から引用

市内には道路ばかりか、住宅敷地内にまで多数の監視カメラが設置されています。結局、監視するのは人間管理のためであり、監視カメラは市民を安全から守るために設置されてはいないことが分かります。大脳システムの意図は、中央政府の管理体制強化のようです。

まとめ

スマートシティは、より管理された、ネガティブな言い方をすれば監視された都市に住むということ。もちろん、享受できるメリットも多いでしょう。でも、デメリットも存在するのは確かなようです。

さまざまなサービスが紐付けられてくると一度、ハッキングなどの被害に遭えば、情報はすべてが一遍に漏洩します。また、センサーの不具合やソフトウェアの欠陥、デバイス、システム障害があったら都市は機能するのか?という危惧の念を抱きながらの生活になります。天災で高層マンションのエレベーターが機能しなくなることだってあるのに。。。

高齢化社会に対応した街づくりなどと聞くと、家族や地域の絆が弱まったので、お金やテクノロジーに頼って生きましょうと言っているように感じます。

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家づくりについて考える―中庭のある平屋暮らしー

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