東洋と西洋の褒め方に対する考えの違い

教育
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アメリカ人はよく褒めるなど、民族により褒める頻度が違ったり、また褒め方の方法も色々あると思います。また、同じ民族でも個人差があるのも事実です。もともと、東洋と西洋の褒め方に対する考えの違いがあるようです。

褒めるときは結果ではなくプロセスを褒める

子どもを褒めるときは、結果ではなくそこに至った過程を褒めるというのは、日本人なら普通に考えることであると思われます。例えば、子どもがテストで100点を取った場合、「100点取ってすごいね!」ではなく、「100点取れるように、よく頑張ったね!」というように。モチベーションを上げるためには、能力ではなく努力を褒めるべきというのは良く知られていることです。

プロセスを褒めてあげることで、「努力次第で結果は変えられる」と無意識に思うため、モチベーションを保てたり、意欲も湧いてきます。

プロセスを対象にするのは、逆に点数が悪くてもプロセス(努力)さえ改善すれば、目標を達成できるということになります。

東洋と西洋の教育方法はもともと違っていた

 

この本は、英国人の教師である筆者が、最高の教育システムを探す旅のため、フィンランド、日本、シンガポール、上海、カナダの5か国を訪問し、現地のレポートをまとめてくれている。

本の中のエピソードの紹介で、もともと東洋と西洋では褒め方に違いがあったという新たな発見がありました。

 

      東洋        西洋
能力ではなく努力によって達成される 能力は一定不変、生まれつき
努力>能力 能力>努力
努力は恥ずかしくない 努力を見せたがらない
難問を一生懸命解こうとする 難問は知的能力が足りないと諦める
目標達成のプロセスを褒める 目標到達に対して称賛する
カリキュラムは狭くて深い カリキュラムは広くて浅い
反復学習法 丸暗記は効果のない学習法との考え

もちろん、東洋人であれ西洋人であれ、逆の考え方をする人がいます。西洋文化に影響を受けた東洋人、東洋文化に影響を受けた西洋人というように。そして、この50年ぐらいは特に教育に対する研究がものすごく進化し、ネット上でも色々な国の教育法や考え方も手に入るようになっているため、更に区別は付きづらくなっていると思います。

IQを遺伝的と考える人たち

「学歴のない者と結婚すると、頭の良い子とそうでない子が生まれるという問題が起こる」
リー・クアンユー シンガポール初代首相

  • シンガポールでは、小学6年の終わりにその後の人生を左右するといわれる小学校卒業試験(PSLE)が実施される。小学校卒業時点で実施されるのは、もともと学力は遺伝によるものが大きいと考えているため、早い時期から峻別してよりそれぞれを専門的な分野に進ませるとの考えがあった。
  • 「社会発展促進ネットワーク」という政府組織は、シンガポールの大卒者同士が結婚し、知能の高い赤ん坊を産んでくれることを期待して設立された。
  • 学力が低レベルの母親には不妊手術に助成金を出す。
  • 大卒の母親には税金を還付して優生主義政策を実施。
  • 両親扶養があり、親孝行の義務化しており、生活費を支払わないと罰則がある。

このリー・クアンユー初代首相は、客家系華人の4世であるようですが、イギリス留学の経験があり、イギリスの階級社会の影響が強く受けたのかもしれません。

 

アメリカの心理学者ルイス・ターマンは、IQは非常に遺伝的であると信じていた。この考えに影響を受けた人は少なくないという。

努力を美徳と考える中国人

ブラウン大学の教育学教授であるジンリー(李瑾)は、誰もが猛勉強するのが当たり前だった中国から1980年代にアメリカに留学します。しかし、アメリカの全く勉強しようとしない生徒たちにショックを受けたそうです。世界一豊かな国に、これほど多くの学ぼうとしない子どもたちが住んでいることに面食らったというのです。

彼女は東洋と西洋の文化的学習モデルについて、10年以上かけて書き上げた本があります。西洋人の学び方は古代ギリシャに始まる長い知的伝統に基づいており、向上心というのは、主に個人に備わった恩恵であり、勉強が得意かどうかは、その人に生まれつき備わっている資質であって、それはあまり変化するものではない。

中国の母親は子どもの学校の成績が悪いと、何よりも勉強不足のせいにする傾向がとても強いが、アメリカの母親たちからは、そういう答えは返ってこない。

ある調査で日本とアメリカの生徒たちに、知能は何パーセントが努力のおかげで、何パーセントが才能、つまり生まれつきの能力のおかげか、という質問をした。努力が占める割合について回答された数値を平均すると、ヨーロッパ系アメリカ人は36%、アジア系アメリカ人は45%、日本人は55%という結果だった。

まとめ

西洋と東洋の褒め方による違いは、IQの考え方の違いが影響していたことは、あながち間違っているとは言えないようです。シンガポールという特殊な国(国土が小さく人材こそ財産として、教育に異常なほど力を入れたこと。中華系の影響があるけれど教育が西洋化そしてリベラル化されていること)を見ることで、考え方が教育に及ぼす影響が甚大であることも分かりました。

ちなみに、シンガポールは、民族比率として中華系(74.1%)、マレー系(13.4%)、インド系(9.2%)及びユーラシア人に大別されます。(参照:ウキペディア)中国文化の影響が強いとされるマレーシアより、民族では、はるかに華僑比率が高いです。(シンガポールは1965年にマレーシアより分離し独立した)しかし、中国文化の影響を感じるのは、マナーぐらいでしょうか。(いまはマナーへ対する罰金で改善されてきているかも)

シンガポール教育事情を知ると、エリート層と一部の大金持ち以外は住み心地が良く感じないのではと思ってしまいます。物価が高いものの、日本人の移住先としても人気があるのは、法人税率が低い国で優遇税制もあるためで、その魅力から移住する人も多いのかもしれません。

さて、IQや知能に対する研究は、これからも進み深まっていくのでしょう。実際、IQがどの程度が遺伝的であるかはさて置き、IQ、EQ、AQ、RQなどの関係性なども更なる研究で解明されることに期待したいです。

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