よく議論になる話題としての賃貸vs持ち家。漠然と賃貸vs持ち家としても色々な観点での意見があるため、分かりづらい。そのため、様々な観点から賃貸vs持ち家について考えてみました。
賃貸vs持ち家に対する調査
ミライ研による住まいと資産形成に関する意識と実態調査(2021年3月のアンケート調査)の「住まいについての考え方」によると、圧倒的に購入派が多いという結果になります。
大多数の人が都市圏に住んでいます。都市圏以外の地方(田舎)は、むしろ敢えて買わない理由を見つけるのが難しいです。もちろん費用の理由で買わないという選択もありますが。。。
居住場所からの観点
例えば、カー購入派vsカーシェアリング派という観点になると都会では、至る所にカーシェアリングができる場所がありますが、田舎にはほとんどないです。駅から離れれれば皆無です。地方都市の駅から離れた場所では、このカー購入派vsカーシェアリング派などという問いさえ議題に上がらないです。
これを家に当てはめると、都会には家族向けに対して賃貸でも魅力的な物件が多数あるでしょうが、地方には3LDKの物件自体が少ないです。駅から離れるとかなり少ない印象です。そもそも誰かが入居していて賃貸物件として出回っていることが稀な状態となります。「乗用車を購入するかどうか?」ほど極端ではありませんが、これに近い議論になってしまいます。
「都会」or「田舎」、「都市」or「郊外」、「駅近」or「駅遠」ということにより、かなり立場は違ってきそうです。
経済的な観点
賃貸と持ち家でどちらが経済的な観点からみて得なのかとすると、一部の資産価値の高い立地などを除けば賃貸になるのでしょう。持ち家になると、固定資産税や住宅ローンを組めば、余計に利子を払わなければならない。賃貸にはない修繕費が発生するし、町内会費などがあるかもしれない。また、持ち家を手に入れると資産価値の観点からは資産になるより圧倒的に負債となることが多い。経済合理性があるようにみえるが、持ち家は経済的ではない。
実際に調査でも、所有不動産(土地・家屋・マンションなど)を「家計の資産(売る、貸すなどにより現金化できる資産)」として考えていますか?という質問に、ほとんどの所有者は資産として考えていないということが分かります。
ただ、賃貸vs持ち家となると、(もちろん大事ですが)この経済的な負債というデメリットに重点比重を置いて、賃貸派を主張する人が多く感じます。
自由度という観点
賃貸派からすると、持ち家になると簡単に引っ越しができず、自由な選択肢が狭まるという。ここは考え方の相違もあるように感じる。会社員なら転勤や転職の可能性もあり、賃貸はそういったときには身軽である。
また積極的に色々な地域や場所に住むという理由もあるけれど、子持ち家庭であると、子どものためにも学区も変わってしまうし、引っ越しは避けたい。それなら持ち家でもいいのではないかと考えられる。
さらに、年を重ねて老人になってくると、購入派が増えていることから分かるように、落ち着いて住みたい願望が増大することが考えられる。若い頃と違い、老人になってから立ち退きになった場合には、逆に住み慣れた場所や知人がいるところから離れることは、自由度というメリットはデメリットになりそうである。
単身高齢者の場合は、大家が孤立死などを懸念して物件探しが難航する可能性もある。老人になってから購入すればよいと思っても、それは資産的に余裕のある人に限られてしまう。しかし、更なる高齢化社会になり、空家も増加してくれば、事態は変わるかもしれません。
マンション、一戸建ていう観点
賃貸派は、ほとんどマンションやアパートの賃貸を前提に話しており、戸建住宅の賃貸を想定していない。そもそも戸建て賃貸は絶対数が少ないです。さらに、海外によくある自分で住んでいた物件を賃貸に出すということは日本では少数である。それゆえ、戸建ても賃貸用の戸建て物件になる可能性が高い。そういった物件では、一生暮らしていくと想像し難い。
また、庭付きがどうしても良いという積極的な理由がある場合にも賃貸という選択は、ほぼなくなってしまいます。
賃貸派の立場で考えるなら、マンション以外は考えづらい。
住宅ローンの観点
収入や貯蓄からどれくらいの借入するかで変わりますが、基本的に住宅ローンに追われる生活は如何なものかと思っています。高断熱・高気密で小さな家を建てたとしてもかなりの金額です。一部のお金持ちを除いて庶民にはこのローン支払いは人生の重荷になり、ローンの奴隷になる可能性は高いです。この観点では、賃貸が有利のように感じてしまいます。
しかし、平均寿命が延びてきており、長寿となった場合には購入していたらと後悔するかもしれません。
借入金額が赤で囲ってある層(20~40歳で3000万以上のローンを抱えた場合)は、災害リスクのある資産を負債を抱えて持ち続ける不安が拭えない。
まとめ
持ち家vs賃貸がこれほど議論にならなければならない住宅事情は、そもそも構造に問題があるのでしょう。住環境のことを真剣に考えてこなかった政治ごっこの産物なのかもしれません。
コメント