川の字で寝るのは日本の伝統であり、海外ではそれほどみられるものではないようです。この川の字で寝ることによる、子どもへの影響は気になるところです。
寝室の寝かたで親と子どもの特徴が表れる
積水ハウスのwebマガジンで、寝室の在り方についての特集があります。誰と誰がどう一緒に寝るかにより親子と家庭のあり方に大きな影響がでるようです。
篠田氏の結論はこうです。添い寝にもよくない点、気をつけるべき点はありますが、日本人は「幼少期の添い寝」という習慣をこれからも維持していくべきだということです。例えば、アメリカ人などは日本の家庭はほかに空き部屋があっても家族一緒に一部屋に固まって寝るという習慣を知ると驚くという。
しかし、この狭い空間のなかで譲り合って眠るという添い寝は、協調性や和の精神を養っているのではとも言われています。
では、添い寝による気をつけるべき点の説明です。同氏が、日本全国5000件以上の家庭の寝かた調査研究した結果になります。
寝かたにみられる家庭の傾向と対策
夫婦の愛と信頼の強さが特徴。密接な母子関係とそれを間接的に支える支援型の父親の存在という理想的な三者の位置関係が、母子の密着を引き離す父親の役割を可能にして、幼児の情緒的安定と自立心をも養っていく。家庭のなかで父親を権威を守る、母親の謙虚な賢さが不可欠。
子ども中央型家庭
夫婦関係より子どもを大事にする日本人の伝統的な子ども観を象徴している。夫婦の勢力関係は平等一致型多くみられる。夫婦が対等なパートナーという関係は往々にして父親の権威を保ちづらい。父性不在の躾環境は、幼児の自立心は比較的弱くなりがち。もし、妻優位な傾向が強いなら、母性原理が支配する過保護家庭になってしまう恐れがある。対処法としてなるべく早く子どもを別室に寝かせる。
父親別室型
夫は仕事人間、妻は家事専念という男女分業意識が強い。父性が不在のため、幼児の母離れは難しい。母親が夫に不満を抱いている家庭の場合は、子どもに対して過干渉になり幼児は情緒不安的になりがち。対策としては、母親が「父親は仕事で忙しいけど、実は家族思いで熱心に家庭のために仕事をしている立派の存在」であることを子どもに伝えること。
子ども別室型家庭
欧米風の親子関係より夫婦関係を優先させる家庭。幼児の自立を強調する育児のため、幼児は甘えられない環境に適応して自立心が強い子に育つ。反面、スキンシップ不足から親に愛されているという確信が持てず、他人を容易に信頼できない性格になりがち。親子に精神的つながりや一体感が生まれにくい。兄弟がいれば、相互に助け合い信頼感が生まれやすい。成功例は、(欧米のように)親がぎゅっと子どもを抱きしめるなどスキンシップと言葉での愛情表現を怠らないこと。干渉されたがらない性格に育ちやすい。
寝かたが夫婦関係に及ぼす影響
夫婦間の「性」は、肉体や性器だけの問題ではなく、夫婦間のコミュニケーションとか人間関係のあり方と密接につながっているといいます。子どもが家庭内暴力とか非行とか、その他思春期特有のさまざまな問題を起こす場合、その両親の、夫婦としてのありようを調べてみると、性生活に非常に問題がある。性が極めて貧しい、希薄である、というケースが多いことが分かるそうです。
上の図は、「あなた方夫婦のセックスの頻度を教えて下さい」とのアンケートの結果です。割合をみると、同室隣接型、同室分離型、別室型の順で就寝時の夫婦間距離が近いほどセックスの頻度が高くなっています。
寿命も延び子どもが巣立ったあとの人生は長くなりました。後半の人生でお互い伴侶となれるかどうかのカギは、夫婦がもっとも忙しい子育て期の家庭の寝かたにあるのです。
まとめ
誰が誰とどのような位置関係で寝ているのかということは、一見なにげない選択をしているようですが、その無意識の行為が、実は家族の情緒関係を反映しており、かつ、その後の夫婦愛の育ちに少なからぬ影響を及ぼしているといいます。
選択した寝かたのために、親子、夫婦関係がこうなるというのではなく、もともとの情緒関係がその寝かたを無意識に選択し、またその寝かたがその情緒関係を助長しているということです。
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