ハウスメーカーの長期保証と家電の保証との違い

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家を建てるときには長期的な見方が必要です。イニシャルコストとランニングコストをしっかり計算しなければ経済的負担が増します。よく分からずに長期保証に入ると、「こんなはずではなかった」ということにもなりかねません。この長期保証は、ほとんど施主側のことを考えていないメーカーに都合の良いものなのです。

ハウスメーカーの長期保証とは?

メーカーの長期保証もハウスメーカー選びで、重要な決定項目にしている人もいるかもしれません。ただ、家には必ず10年の瑕疵担保保証が付いています。瑕疵とは工事不備、欠陥など(構造上の問題や雨漏りなど)の問題があったときの無償の保証です。これは、住宅品質確保促進法(品確法で10年の保証が義務付けされている部分で不良品に対する保証みたいなものです。

ただ、初期不良など問題外なことです。普通に施行されていれば、10年間は何も起こりえません。その10年間の無料点検をするというのが保証であり、その後(10年以降)に痛んでくる給湯器、バルコニーの防水、防蟻処理、サイティング塗り替え、コーキング張り替えなどは無償ではありません。無料点検はするものの、その点検でメンテナンスの必要性を指摘されれば、しっかりと費用が発生するのです。

※ハウスメーカーの延長保証は多くの場合、自社の点検と自社による有料のメンテナンスを受けることが条件です。

※家電によくある3年や5年保証などは、余分にお金を払う条件で故障しても無料で修理をしてもらえる保証がありますこれと根本的に違います。

ハウスメーカーは、新築市場が急速に縮小しているため、定期的に発生するリフォーム、特に外壁塗装工事による収益で業績を支えているのです。

10年以降の長期保証は必要なのか?

10年以降から、点検ごとに発生するリフォーム費用は、主に屋根と外壁になります。そこで長期保証の必要性はどういったところにあるのでしょうか?ズバリ安心感だといえます。自分で点検する必要もなく、メーカーの言いなりになっていれば、リフォーム業者も探してもらえます。よくある手抜き工事をされることはないでしょう。

長期保証のメリット・デメリット

メリット

  • 10年目以降も無料で点検してもらえる。
  • プロが点検するので見落としが少なくなる。
  • 外壁塗装の管理をしてもらえる。
  • 手抜き工事をされることがない。

デメリット

  • 他社でメンテナンスを受けると保証が切れる。
  • 相見積を取らないため、言い値の工事費用となる。

ハウスメーカーの上乗せ金額はいくらか?

外壁の窯業系サイティングの塗り替えと、シーリング打ち替え費用についてです。

 
 

その工事費用は80~120万円くらいですが、これは自社で施工する中小の塗装専門会社に依頼した場合のお値段です。ハウスメーカーに依頼した場合は、ハウスメーカーが30~40%の利益を確保した上で工事を下請け業者に外注するので、工事費用は140~200万円くらいになります。そして言うまでもなく、その下請け業者とは中小の塗装専門会社です。つまり実際に工事を行うのが同じ塗装専門会社で、まったく同じ工事内容であるにもかかわらず、依頼先がハウスメーカーに変わるだけでお値段が30%以上高くなってしまうのです。

「60分で分かるリフォーム外装塗装の教科書」から引用

メーカー長期保証との自主メンテナンスの違い

「60分で分かるリフォーム外装塗装の教科書」から引用

例えば、50年間の外壁塗装工事のランニングコストの違いですが、専門店では320~480万円程度で済む費用が、ハウスメーカーの場合は560~800万円程度になってしまいます。しかも、外壁は立地条件によってかなり違うとされますが、塗装工事の間隔を10年以上空けられたとした場合などは、金額の差は更に広がります。

まとめ

ハウスメーカーの長期保証のまとめになります。

  • 点検は無料でメンテナンス費は自己負担。
  • 自社の点検と自社による有料メンテナンスが条件のことが多い。
  • メンテナンス費用に30-40%の上乗せがされる。
  • しっかりとした下請け業者がおり、監督するため手抜き工事されない。
  • 勉強して知識を蓄えるなら、メーカーの長期保証は必要なし。

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