ガルバニウム鋼板の屋根の雨音は気になるのか?

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ガルバニウム鋼板のデメリットの1つとして挙げられているのが、雨の日の雨音がうるさいということです。雨音が一番気になるといわれるガルバ二ウムの立平葺きで建てた我が家ですが、1年間暮らしてみて、この雨音がうるさいと思ったことは1回もありません。

雨音は本当にうるさいのか?

もちろん個人差もあるのでしょうが、屋根の音より家の前の濡れた道路を通る車のタイヤ音の方が気になるほどです。もともと雨が降ると、窓に横殴りの雨が当たる音やエアコンの室外機に雨が当たる音など気にしたらキリがありません。

雨の日にどこから雨音が聞こえるかと言ったら、むしろ天井のガルバニウムというより雨樋などに当たる雨の音でしょうか?横側からの雨音の方が気になります。それも、注意深く耳を澄ませば感じるという程度なので、これにより迷っている人がいるなら、個人的にはそれほど気にしなくて良いと思います。しかも、断熱材をしっかり施行しているならそれも防音性になると感じます。

ポイント

ガルバ二ウムは薄いため静音・防振効果のある裏打ち材を使っていますが、気になる方は使用するのかどうかを聞いてみると良いと思います。

ガルバ二ウム鋼板を選んだ理由

私が依頼した工務店は、施行しているのがほとんどスレートかガルバニウム鋼板でした。今でもスレートが圧倒的に多いのでしょうが、10年ほど前に新築として建てられたのはスレートの家がほとんどのような気がします。ただ、このスレートのイメージは紫外線で色褪せたり、劣化して割れたりするイメージが強く、あまり考えていませんでした。

また、家を建築する前に大きな台風が通ったのですが、このときにスレートと瓦の屋根が飛んでしまってビニールシートをかけている家を多くみました。瓦もいまは1枚ごとにしっかり固定する施行方法が一般的なのでしょうから、飛ばされることはないのでしょう。

スレートとガルバニウムのコスト差は12-13万円だったと思います。

稲垣商事のスタンビー

選んだ屋根材は稲垣商事のスタンビー。立平葺きシリーズになります。立平葺き屋根とは、屋根の流れに沿って、縦方向に張る屋根のことです。カタログでは板厚が0.40mm。大変軽く、私の家でも簡単に計算すると、スレートより600-700kg軽くなります。(スタンビーの1m当たりの重さ1.525kg)

ガルバ二ウムがメンテナンスフリーと書かれる理由

屋根のメンテナンスはスレート15-20年ごと、ガルバニウムが30年ごとと書かれるのが一般的なところでしょうか。ガルバ二ウムがメンテナンスフリーと書かれている場合がありますが、オーバーに書いているのでしょうか?根拠は書いていないようです。

ガルバ二ウムが30年というのは、ガルバニウム鋼板を開発したベスレヘムスチール社が耐用年数を25年以上と発表したからだと推測します。

個人的にはガルバニウムは立地条件にものすごく左右される屋根材だと思います。立地条件や設置条件が良いならば、40年はメンテナンスフリーでいけると考えています。

実際に日本よりガルバニウム屋根使用歴の長いアメリカでは、ガルバニウム屋根の寿命の統計をとって40年としているサイトもあります。

JFE鋼板 製品技術資料より引用

こちらは、稲垣商事の主要仕入れ先であるJFE鋼板の資料ですが、亜鉛めっき鋼板が暴露年数に比例して腐食が進行するのに対し、ガルバリウム鋼板は、暴露年数が経過するにつれて腐食速度が低下する特徴を説明しています。

仮に家の寿命が40年だったとしたら、メンテナンスフリーと言っても間違いではないのでしょう。メンテナンスフリーと謳っている場合は、そのような乱暴な書き方(考え方)なのかもしれません。

メンテナンスフリーとなる厳しい条件

ガルバ二ウムがメンテナンスフリー(40年ぐらい)になる立地、設置条件と考え方についてです。

ガルバリウム鋼板のめっき組成は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%となっており、昔の良く使われた「トタン」(溶融亜鉛めっき鋼板)の耐食性(錆に耐える力)に加え、アルミニウムの特性である防食性(錆を防ぐ力)があります。

強度があるステンレスと違いアルミニウムは塑性加工に向いています。実際に施行されたガルバ二ウムを見ると折り返しで曲げなければならいことが分かります。

アルミニウムが、加工性が高い製品ということは、傷つきやすいということです。傷つけば錆は繁殖していきます。逆に言えば、屋根に台風などで物が飛んでこない限り傷つかないでしょう。

次に海から近いと錆びやすい。海から吹きつける潮風、つまり塩(塩化ナトリウム)が、ステンレスに含まれる鉄の酸化を促進させるため、5キロ以上海から離れていることが好ましいでしょう。

更に大気汚染により大気中の亜硫酸ガスと水分が錆の発生を促進するため、雨水が当たる場所は錆びず、当らない場所は粉塵や埃が流れず錆びやすい。

上の写真を見てもらえばわかる通り、粉塵が残っています。よっぽどの雨が降らないと残ってしまいます。自分で洗い流せばキレイにはなります。

最後に紫外線による色褪せは防げない。それゆえ、色褪せを防ぐためにはメンテナンスが必要だけれど、気にしなければ色塗装という観点でのメンテナンスは必要なし。

ガルバ二ウム鋼板が一度も傷つかず、海から離れた立地で、雨水が良く当たり、粉塵などが洗い落とせる条件で、紫外線による色褪せを気にしないならメンテナンスフリーに近くなります。

天窓は雨漏りリスクが高すぎる

最後に天窓についてですが、知人が天窓をつけ新築から14年目で雨漏りしていました(ちなみに屋根材は瓦)。天窓は雨漏りしやすいのは紛れもない事実でしょう。そのため、天窓をつける場合は、メンテナンス時期をしっかりと守りましょう。そうすることで、雨漏りリスクは避けられるとは思います。メンテナンスを怠ると構造が湿気てしまい、家自体の寿命が極点に短くなる可能性もあります。

天窓は明るいですが、天窓からしか光を取れない立地条件でなければ、ランニングコストを含めてコスパが悪いと感じます。明るい家は誰もが好むものですので、立地条件を含めて総合的な考えが必要だと思います。なぜなら、この知人は、天窓は雨漏りリスクが高いということを知らずに設置していたのですから。

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