私は20年以上テレビを見ない生活をしています。テレビのないメリットの方が私にとっては大きいからです。
テレビが不必要と敢えて訴えるのは、統計からみて、若い世代の半数がテレビを見ていないという調査結果から判断したものです。テレビ離れが急速に進んでいることは明らかなのですが、テレビに依存する生活や社会構造が長らく続いたためか、とりあえず、テレビを置いている人が多いように感じます。
コロナ禍や働き方改革による生活の変化
NHK放送文化研究所世論調査部による今回の「国民生活時間調査」は、コロナ禍で働き方が変化したため、国民の生活意識の結果は、大変興味深いものとなりました。(調査期間は2020年10月10日~11月1日)
まずは、外出自粛やテレワークなどの影響なのか、仕事時間が前回(2015年)から平均で男性で35分、女性で31分も減少しています。過去の推移からすると劇的な変化です。
これにより、1日24時間のうち30分以上の時間の使い道が増えたのですが、この時間が何に割り当てられたのかが、とても気になるところです。平日の睡眠時間は、仕事時間が30分以上減少したのに増加しておらず、却って3分間ですが微減しています。その分、女性は特に子どもの世話にかける時間が、かなり増えたようです。
想像以上に顕著となったテレビ離れ
テレビの行為者率ですが、予想以上にテレビ離れが進んだ結果となりました。何年も継続していた生活のリズムが変化し、余った時間を有意義に使おうとしたため、なんとなく視聴するテレビ時間が減少したのではないでしょうか?
下記の調査結果ですが、朝と夜のピーク時間にテレビを見なくなる人が増えています。個人的な推測ですが、今までは出勤前にテレビを点けたまま、身支度や食事をして、帰宅後にはとりあえず、テレビを点けてしまうという人が多かったのでしょう。そもそもテレワークに変化した人は、朝の身支度が必要はなくなり、帰宅後にとりあえずといって無意識にテレビを点けるということもありません。
逆に言うと、テレビを見ている人も今まで(インターネットがなくメディアといえばテレビだった時代)のならわしのように無意識であったり、習慣としてテレビを点けていたのではと感じてしまいます。
家で過ごすならインターネットが中心
インターネットが普及するきっかけとなった「Windows 95日本語版」が発売されてから25年以上が経過しました。スマートフォンの普及速度も凄まじく、インターネットを取り巻く環境は一変しました。下記の調査から、ちょうど30代が転換ポイントであると分かります。
今回(2020年)の調査は、コロナ禍の外出自粛の影響もあり、より家でどのように過ごすのかということが、浮き彫りになったようです。オンデマンドがこれほど豊富にあり、メディア娯楽はかつてないほど選択肢が多いです。
家づくりの設計者はテレビ世代が圧倒的
ハウスメーカーや工務店など間取り設計担当者は、圧倒的に年齢層が高いです。私の家づくりは工務店を中心に探しましたが、すべて50代以上の担当者でした。この世代は、テレビの影響をかなり受けて育っています。もし、設計担当者がテレビをほとんど見ていないという40代であっても、テレビがない間取りを敢えて提案しないでしょう。
家にはテレビを置きません。
とりあえず、リビングだけでもテレビ端子を付けておきますね。
私も、打ち合わせでこんな感じでした。
家づくりのプロがこのように、とりあえずテレビという意識であったり、施主に「普段のテレビ視聴時間はどれくらいですか?」などの積極的なヒアリングをしないと、とりあえずテレビを置くという間取りになりがちです。
まとめ
テレビを置かないと決断するなら、テレビ台を新調しなくても良いし、造作テレビ台などの追加費用も必要ありません。
調査によると、テレビを見る人もいるため(オンデマンドをテレビ画面で見たいという人も含めて)、そういった人たちを否定するつもりは全くありません。しかし、これから家づくりを考えているであろう若い世代は、統計的には半数がテレビを見ません。この半数の人が見ないテレビを所有している場合、家づくりはテレビを卒業する絶好の機会です。一旦、テレビを中心とする間取りをつくると、積極的な理由がないとそこから抜け出すことはないでしょう。
間取りを提案する設計者の年齢層が下がってくるとまた違うのでしょうが、現状ではテレビ世代が、間取りを提案します。設置するしないのいづれであれ、このことを知って、間取りを決定すれば後悔が少なくなると思います。
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