家づくりを考えるとき、まずどのような大きさが良いのかということから考えました。正確に言うと予算を決めていたため、どのくらい家を小さくできるかという観点ですが。。。
でも費用は大きさよりも性能にという思いは強かったです。
地元の工務店で2019年11月に竣工。
我が家は延べ床面積が71.89㎡(21.7坪)。ロフト16.55㎡(5坪≒10畳)。
打ち合わせでも工務店の社長さんに、いろいろ心配されました。本当に良心的で親切な社長さんでした。
リビングは少し狭くないかなぁ?
テレビは見ないので、リビングにソファーを置きません。
それなら大丈夫かな。
もう少し費用を抑えたので、坪数減らしたいんですが。。。
。。。。これ以上小さくしない方が。。
ミニマリストなら家は小さくなる
「ミニマリスト」と言われるようになって久しいですが、私などは極力モノを増やしたくないタイプです。靴は最小限でと思ったので、シューズクロークは絶対に要らないと思ってました(靴コレクターのような趣味の人もいるため、そこらへんはバランスを考えることが必要です)。バルコニーも要らない。特殊な設備は故障したあとの修理費がイヤだ。大きな収納は、却ってモノが増えると考え、最低限の収納スペースに。家が小さければ、少ない予算で済みます。
もちろん、初めから「ミニマリスト」のような考えでも、そのような生活様式でもなかったです。若いころは物欲も強く、ファッションにもお金をかけてました。でも、洋服って買ったは良いけど着ないものも少なくない。シンプルに暮らすと、要らないものがハッキリします。お金もそれほど要らないし、疲労やストレスが減り、自分の人生に何が大切なのかの「気づき」があります。
最適なサイズの見極め
そんなに、予算を削って「家づくり」楽しいの?と思われそうですが、ストイックに部屋を小さく削っていく楽しさがありました(笑)小さな家は、冷暖房効率も良いし、光熱費も抑えられるのでランニングコストも安い。本人が狭いと感じず、生活上で不便がないならデメリットは何もないのです。引き渡しから1年経過していますが、家の広さでの後悔は全くないです。これから子供がもっと大きくなって家を出た場合は、夫婦2人となりますが、そうなると大きすぎる訳ですから。。。
私の実家などがそうでしたが、使わない客間がありましたが、この客間により無駄な動線ができ、隣の部屋も居心地が悪くなり、悪循環に感じていました。
- 最適なサイズの見極めは難しいため、時間を費やし熟考したい。
- 小さな家で大きく感じる(錯覚)間取りを考える。
- 長いスパンで考える(子供が巣立ったあとの時間の方が長い)。
- 使わない部屋も掃除が必要になる。
- 使わないスペース(部屋)が多いと、物理的には大きな家だけど小さく感じる。
持ち家住宅延べ床面積の全国平均(国土交通省データ)
国土交通省の住宅経済データによると、持ち家住宅延べ床面積の全国平均(平成30年調査)は119.91 ㎡ = 36.27 坪です。
ちなみに借家の平均延べ床面積(平成30年調査)は、公営(51.48㎡)、都市再生機構・公社(51.03㎡)、民営借家(45.57㎡)、給与住宅(52.75㎡)となっています。借家は持家の半分の延べ床面積にも達していません。借家だけのデータしか見なかったら、逆に私の家の広さでも大きく感じます。
都道府県別の持家延べ床面積
都道府県でかなり地域差があり、延べ床面積が最も広いのが富山県の145.17㎡。2位は福井県の138.43㎡。3位が山形県の135.18㎡。秋田県(131.93㎡)、新潟県(128.95㎡)と続く。一方、延べ床面積が最も狭いのが東京都の65.9㎡。2位が大阪府の76.98㎡。3位が神奈川県の78.24㎡。沖縄県(75.77㎡)、京都府(86.93㎡)と続いている。
よく東京の知人の家に行ったあと、我が家に戻ると大きく感じるけど、田舎の知人の家に行ったあと、我が家に戻ると狭く感じる。最も広い富山県は、最も狭い東京都の2.2倍もあるとは、すごい格差です。
注文住宅の延べ床面積の全国平均(住宅金融支援機構データ)
こちらは、住宅金融支援機構の2019年の全国平均の住宅面積(延べ床面積)です。注文住宅が125.8㎡(38.05 坪)。土地付注文住宅が111.5㎡(33.73 坪)。土地付注文住宅とは、条件付きの注文住宅なので一般的な家庭には最も参考になると思います。建売住宅が101.1㎡(30.58 坪)。
なぜか、条件付き注文住宅の地域差のほうがあります。
年々、延べ床面積は減少傾向ですが、所要資金の推移をみる限り、延べ床面積が減少しているのは予算に関係があると考えた方が良さそうです。
米国の新築平均の延べ床面積
米国の新築平均の延べ床面積は、1978年の165平方メートル(49.9坪)から2007年には230.3平方メートル(69.6坪)にまで増大しました。
しかし、2007年から2009年にサブプライム・ショックで持ち家を失う人が急増。サブプライムローンは信用力が劣る人への住宅ローンなので、身の丈にあわない持ち家の国民が大勢いたのです。これに加え、環境破壊への意識の高まりや自給自足への回帰の影響もあり、家を小さくする動きが加速しました。また、アメリカ合衆国住宅都市開発省によると、2018年のホームレスは約55万人。ホームページにはホームレス支援の具体的な記載も多く、最近はタイニーハウスの需要もかなりあるようです。
タイニーハウスとは
最近は日本でも「タイニーハウス」の知名度が増してきました。タイニーハウスとは定義が曖昧ですが、「tiny」(小さな)「house」(家)のことです。米国のTiny Home Industry Association(タイニーハウス産業協会)は、大きさの定義を最大37平米(11.19坪)としていますし、ニューヨークタイムズは最大46平米(13.9坪)と紹介しています。そもそも、一般的な住宅として始まったものではなさそうです。
広さより快適さや美しさを追求
米国でベストセラーになった「The Not So Big House」(1997年)を出版した建築家のサラ・スーサンカ(Sarah Susanka)は、Not So Big Houseの定義として「それほど大きくないとは必ずしも小さいということではなく、広さより快適さや美しさを追求すると、家を小さくしても実際にははるかに大きく感じられる」、「理想的なサイズは、経済状況、家族構成、個人的な好みによって異なる」としています。
やはり、家を大きくつくると予算が必要以上にかかります。幸せに暮らすための家づくりが、却って住宅ローンが重荷になったり、それにより夫婦間での金銭トラブルが増えては、本末転倒になります。
結論(個人的観点)
日本とアメリカどちらも家の延べ床面積は、減少傾向にあります。これは、建築費用の高騰や特にアメリカはローン破綻などが起因していると考えられます。これはお金という外面的なものがもたらした要因ですが、時代は「暮らしやすさ」や「自分らしさ」(例:ミニマリスト)などの内面的なものへ急速にシフトしていると感じます。
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