いまの家賃と同じローン返済で家が建つはウソ

ローン
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アパート暮らしをしていると、ポスティングされた「いまの家賃と同じ住宅ローン返済額で夢のマイホームが建ちます」などといった類のチラシを見たことがある人がほとんどではないでしょうか?私もアパート暮らしをしていたとき、何度か見ました。

家賃と同じ住宅ローン返済額で夢のマイホーム?

このチラシの文句は人の心を突き動かすには、インパクトのある最高の常套句だと思います。この文句、ウソと言いましたが、支払額だけ見ると本当なのでしょう。

ただ、この返済額は住宅会社の標準仕様だけでオプションなし。外溝費用やカーテン代さえ入っていない可能性もあります。これに加え、持ち家でかかるコストは度外視しているでしょう。かなり乱暴な書き方で、良心的ではないことは確かです。

持ち家でかかるコスト

一軒家を購入するとアパートでは支払っていなかった支出が多々あります。「固定資産税」、「火災保険」、任意ですが、「地震保険」。マンション購入などでかかる「修繕積立金」、「管理組合費」。これを一軒家に置き換えると、15年後ぐらいから必要になってくるであろう壁や屋根などの修繕費です。例えば、住宅で圧倒的に使われている壁材として窯業系サイティングがありますが、サイティングには塗り替え、コーキングの打ち替えが必要です。管理組合費は、私の住んでいる地域ではゴミ出しのために入ることの多い、町内会(自治会)費といえるでしょう。この費用をマンションで月々徴収される「修繕積立金」、「管理組合費」と同じように計上すべきでしょう。

また、ほとんどのアパートではエアコンが予め付いているように、一軒家を購入すれば、アパートでは支出がなかった買い替え費用がかかります。このほかも、何か故障すれば大家や管理会社に言えたものが、自己負担となります。

以上のことから、例えばアパート暮らしをしていて金銭的余裕がないのであれば、今の家賃よりローンの返済額が多いというのは危険です。

「ボーナス払い」は賢明な選択肢か?

私が見たチラシにあるローン支払いのシミュレーションでは、ボーナス払いが選択されていました。そもそも35年払いでボーナス払いを選択して本当に不安はないでしょうか?給与と賞与(ボーナス)の違いを良く知ってから、ボーナス払いは選択するべきです。住宅営業マンや銀行の住宅―ローン担当者は、施主のボーナス払いについてそれほど気にはしてくれないのです。

賞与とは

労働基準法第24条で「賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので命令で定める賃金については、この限りでない」と記載されています。

ボーナスは、会社の裁量に委ねられており、任意で与えられる給付であって、毎月支払われる給与のように会社側には払う義務があり、労働者には貰う権利があるといったものではないのです。

つまり、会社側の経営が困窮した場合、「ボーナス30%カット」、さらには「ボーナスなし」となり続ける可能性もあるのです。

ボーナスがカットされたら貯蓄を切り崩しても問題なしという人を除けば、このような不確定なボーナス払いを前提とした住宅ローンは、いつ破綻しても不思議ではありません。今までの終身雇用の感覚だと、それほど疑問を持たないかもしれません。

しかし、経団連の会長までも「終身雇用」の限界を訴えました。そのあとのコロナ禍。今後、「終身雇用」と「年功序列」の構造崩壊が加速するのは必然です。これからの時代は、ボーナスを当てにした生活設計は時代遅れになるでしょう。

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