家づくりが夫婦喧嘩になる科学的根拠

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夫婦一緒に共有して使う買い物って意外と多い。しかし、家づくりは打ち合わせを含め長い道のりであり、何より価格が桁外れに高額。食い違いは必至である。

夫婦で価値観や趣向が違うのは当然

もともと洋服や装飾品などはそれぞれが好きなものを選べばよいが、家で使うものや共有するもの、例えばテーブル、カーテン、家電製品など趣向や価値観が違うと、どうしても意見の食い違いで揉めてしまう。家電では、機能重視なのか、価格優先なのか?カーテンなどはデザイン、色で部屋の雰囲気が変わるので、あまりにもセンスが違うとトラブルのもとになるのだろう。

だいたい、上手くいっている夫婦は、旦那さんの口出しが少なく、奥さんがほとんどの裁量権を持っている場合。でも家など高価な場合、旦那さんの決定権の比重が大きくなるもの。

家庭動向調査の夫婦決定権からみる理由

下記は、国立社会保障・人口問題研究所が2020年に公表した第6回目の資料。ちなみに、第4回が2008年調査、第5回が2013年調査、第6回が2018年調査となります。

全国家庭動向調査の妻と夫の意思決定統計によると、「家計の分配や管理・運営」といった家のことは妻にほとんど裁量権があるのに対し、「車や耐久消費財など高価なものの購入」になると男性の裁量権が急増する。家は当然、高価な買い物で夫がかなり意思決定権を持ってくると考えられる。

出典:国立社会保障・人口問題研究所

さらに第6回調査(2018年)の「車や耐久消費財など高価なものの購入」の年齢別を見てみると、家の購入を一番考えそうな「29歳以下」で「一緒に」決定すると回答した比率が極端に高いことが分かります。

出典:国立社会保障・人口問題研究

家事分担・家事遂行調査からみる理由

夫と妻が遂行する家事のそれぞれが分担する割合についての調査です。全体では夫の割合は、意外と少なく変化は第4回と比べて2ポイントと限定的です。

出典:国立社会保障・人口問題研究所

しかし、妻の年齢別にみた妻の家事分担割合の分布をみると、若い世代になるとかなり夫が家事に参加していることが分かります。

出典:国立社会保障・人口問題研究所

内訳をみると、「ゴミ出し」や「日常の買い物」以外の家づくりの家事に関係するお風呂、脱衣場、洗濯、台所などの家づくりにおいて主婦が担当していたであろうところにも夫が関わってきています。

出典:国立社会保障・人口問題研究所

さらに、普段「家事」として語られることの少ない「見えない家事」の遂行について、夫婦の分担の実態を調査しており、揉め事の原因となりそうな「購入する家電製品の選定」の介入率が極端に高くなっています。

出典:国立社会保障・人口問題研究所

これらの調査結果をみると、夫婦で意見が食い違い喧嘩になるような要素が、此処彼処にあるのです。

喧嘩になりやすい客観的事実

特に土地探しからするような注文住宅になると長期戦です。実際に動き出してからでも、1年はかかります。この期間に、人生を大きく作用するであろう土地選びから家の間取り、仕様などを決定していくのですから、意見が食い違ってたり、揉め事が起きるのは当たり前なのでしょう。

普段の生活だけでもストレスなのに、この短い期間にいろいろ考えなければならないことが多すぎます。1つのドアだけでも、「開く方向は右で間違いないか?引き戸の方がやはり便利ではないのか?」など、決定しなければならない事項が、矢継ぎ早にあるのですから。平常心を保つのも大変だし、メーカーの営業マンがヘンな人だったりしたら更にパニックになります。

喧嘩を避けるための最良な方法

このようにパニックになり、平常心を保てなくなれば、余計なことを口走ったり、口が滑って配偶者を傷つけてしまうことにもなりかねません。こんなことをしては、理想の家づくりは絶対にできません。

このようなシチュエーションをできるだけつくらないようにするための最良の方法は、家づくりに時間をかけることです。実際に動き出す前に丹念に夫婦で話し合いの時間を割いて、家の間取りや仕様など考え付くことをできるだけ細かく詰めることでかなり衝突は軽減されるでしょう。

実際に打ち合わせを始めると中断できません。1週間以内に決定を迫られたりすることの連続です。こんな状況に追い込まれれば、冷静ではいることができないのが当たり前なのです。

まとめ

成田離婚(新婚旅行で離婚)があったように、住宅購入や家づくりが離婚に発展したりするケースがあるようです。是非、じっくりと夫婦で話し合う場を持ち、(これは何かを犠牲にして時間を割く)理想の家づくりをして欲しいと思います。

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